篠宮龍三.オフィシャルブログ One Ocean〜海はひとつ!

2014.02.26 Wednesday

クジラと泳ぐ。



沖縄でいつもトレーニングやスクールをしている海域で聞こえてくるザトウクジラのホエールソング。その声の元へいつかは行ってみたい、そして出来ることなら水中で姿を見てみたい、とずっと思ってきました。試行錯誤をここ3年程続け、今年はようやく念願かなって沖縄の海にて水中でその姿を見ることが出来ました。クジラと泳ぐというのは海を愛するフリーダイバーにとって最高の出会いでありこの上ない喜びです。

つい先日小笠原ツアーでクジラと水中で出会い、その興奮覚めやらぬ、といったところではありますが、ローカルの海で出会うことが出来てまた違った喜びと感動があります。小笠原でお世話になったフィッシュアイ笠井船長、スタッフさんたちから頂いたアドバイスそして水中観察のノウハウをトンガなどで経験しそれを笠井船長へフィードバックしてくださった五寿芽さんたちにはただ感謝です。どうもありがとうございます。ようやく沖縄本島でも夢が叶いました。


北の海から数千キロも泳いで出産や子育てのために南の海へとやってくるザトウクジラ。偉大なる大先輩です。今回は親子クジラと会うことが出来ました。子供は本当に無邪気で人を見ても怖がらず近寄ってきます。もうぶつかるかと思う程でした。人にとっては大きいですが、興味津々な様子はなんだかかわいらしいのです。
母親は水深15mくらいに潜って休憩しているように見えました。一度潜ると20ー30分くらいスタティックしています。先輩、凄いです・・・そこへゆっくりストレスをなるべく与えないようにアプローチ。母クジラの大きさにまず畏れおののきます・・・圧倒的な存在感と近寄りがたいオーラ。大きさは15m程でしょうか。子供は5〜6mくらい、しかし大きいです。普通に海で会ったらまずビックリする大きさです。なにより、親子のやり取りがとても微笑ましいです。子供は人間と遊びたがりますが、母親が「ダメよ!」とたしなめます。「え〜もう帰るの〜?!」とちょっとふてくされる感じは人間の親子のやり取りを彷彿とさせます。母親は子供に万一何か危険が迫れば身を挺して我が子を守ろうとし、背中に乗せて呼吸させやすくして泳いだり、お腹の下に隠したり。そんな親子クジラを見ていて感じるのは母性に勝る愛はないな、ということ。母性こそが至上の愛のかたちなのかもしれません。まあ男性のボクには一生本当には実感が湧かないのかもしれませんが・・・しかし世のお母さんたちをリスペクトしたい気持ちになりました。



クジラと初めて泳いだのは2006年、久米島でした。初めて水中で会った時の感動は一生忘れることはないでしょう。そしてあれから8年、いつもの海で見るクジラにあの時と同じくらいの感動を覚えました。一度クジラを水中で見てしまうと、見る前の自分にはもう戻れません。自分の中に何かが確実に刻まれ、何かが組み変わってしまいます。普段の生活ではまず見ることはない、いや、むしろ見てはいけないものに近いものを見て、その後それまでと同じであるはずがありません。地球で最も大きな生き物との出会い。それは地球クラスのインパクトをもたらします。海の神様に出会ってしまった・・・恐れと畏れ。クジラの偉大さを思い人間の小ささを知る。彼らにとって人間もグルクンもまるでかわりはありません。我々はすべて取るに足りないちっぽけな存在です。そしてあの目を見ているとなにかを試されているような気がしてくるのです。

個人的な潜水能力を個人の勝利のために使うのではなく、素潜り仲間たちとともに海に出てイルカやクジラたちと泳ぎ、写真や動画を撮り、より多くの仲間たちとその感動を共有する。その活動の総体は素潜りのすばらしき醍醐味の一つであります。本当に心が震える楽しい海遊びです。競技に飽きることはあってもこの海遊びに飽きることは一生ないでしょう。このような経験を通じて、海やクジラたちは篠宮がフリーダイバーとしてすでに次のフェーズにいることを教えてくれます。母なる大自然よ、ありがとう!


クジラたちに、「人は怖がらなくても大丈夫だ」と思ってもらえるように、そしてこれからも沖縄の海に還ってきてくれるように、過度の追走や進路上へのエントリーは避け、そして他のWW船の方へも迷惑がかからないように十分に注意しながら(基本的には他の船がいない時にエントリー)今回の船長と話し合い、模索しながら今後も継続して水中観察をしていければと思います。


自然相手のことですからこちらも無理や深追いは禁物。待つことも観察の一部です。安全第一ですし、クジラのストーカーになってしまっては楽しくありません。嫌がっている時には追っても意味がありませんし、とにかくもう早過ぎて追いつけません。また今後本島でのクジラツアーを開催する際には基本的には講習を受け、練習を積んだスクール生を対象としていきます。フリーダイバーとクジラの良い関係性となにより安全で楽しく、クジラたちに優しい観察方法をめざして。 





スクール生の皆様へ
3/21−23の沖縄本島でのクジラツアー、まだわずかに空席あります。いつも水中で見られるとは限りません。天気、海況、クジラの数やリラックス度など不確定要素が多々あります。それでもチャレンジしてみたいという方、お問合せください。

お問い合わせ

もしくは↓

school @ apneaworks.com (@前後のスペースをお取り下さい)

スクール代表 篠宮龍三








 






 

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プロフィール

篠宮龍三
篠宮 龍三.
しのみや りゅうぞう


フリーダイバー

AIDAマスターインストラクター

写真家



2004年 日本人初のプロ選手となる。

2005年 世界ランク1位入賞。(フリーイマージョン種目)

2005〜2007年 国際大会三年連続総合優勝(エジプト、フランス、エジプト)

2008年4月バハマにて、アジア人初の水深100mに到達。世界ランク2位入賞。(コンスタント種目)

2009年4月にはジャック・マイヨールの自己最高記録の水深105mに到達。同年12月には水深107mのアジア記録をマークし、マイヨール越えを達成。(コンスタント種目)

2010年4月にはバハマにて水深115mの現アジア記録を達成。(コンスタント種目)
同年7月は自らオーガナイザーとなり沖縄で世界選手権をアジア初開催。また日本代表キャプテンとして参加し、銀メダル獲得。

2013年5月カリビアンカップにて水深56mのコンスタントノーフィンのアジア記録更新。同年10月バリ大会にてコンスタント種目優勝。

2014年12月バハマ大会にて水深66mのコンスタントノーフィンのアジア記録更新(通算37個目のアジア記録)

2015年4月バハマ大会にて総合準優勝。アジア人男性初のメダル獲得。

国内初のプロ選手として国際大会を中心に参戦。2016年10月、18年間の競技生活に幕を閉じる。現在は沖縄でスクールや海外ツアー、大会等を運営する。

OneOceanを自身のメッセージに掲げ、海洋保護を訴えるイベントをプロデュースしている。

本の紹介
素潜り世界一
心のスイッチ
ブルー・ゾーン